お金の貯め方

お金を増やす!備える!

お金を使う習慣はすぐに身についてしまいますが、一方で、お金を貯める習慣はなかなか身につかないものです。余裕ができてから貯めようと思っていたら、あっという間に老後を迎えてしまうかもしれません。
忙しく働きながら着々と資産を増やす方法について、世代別の上手なほったらかしの資産運用法を教えます!


多くの方法がある資産運用。はじめの一歩の踏み出し方は…

 資産運用には、株式や投資信託、外貨建て商品、保険商品、暗号資産など様々な方法があります。最近では「LINE証券」や「PayPay証券」など、100円という少額から始められたり家計とは別にポイントを運用に回せたりできる商品も出てきました。また、同じ定期預金でもネット銀行のものはおおむね金利も良くなります。
 このように、資産の増やし方には多くの種類があります。中でも積み立て型の投資信託は口数を増やしていく(ドルコスト平均法で商品価格が下がった時こそ口数が増えます)ことが大事なので、普段忙しい人ほど「ほったらかし」で利回りを狙える「企業型確定拠出年金(DC)」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」、「つみたてNISA」がオススメです。
 ただ、投資信託は長く続けることが前提ですから、投資を始める前にまずは投資に回せる資産を作ることが先決です。下記図の「先取り貯蓄」を参考に、最低でも給料の半年〜1年分の貯蓄を確保しましょう。そして貯蓄ができ、いざ投資をスタートさせる時に考えるべきことが、ゴールがどこかということ、つまりどこで資産を使うのかあるいは使わないのかということです。ゴールは人によって異なりますし、ゴールが漠然としている人も多いので、そうした方はプロに相談するなどしてゴールを明確にした方が良いと思います。


先取り貯蓄-図


投機の話


楽しみを削らない、心を乱さないのがほったらかしの極意

 なかなか貯蓄が増えないという人は、携帯電話、ローン、税金、保険料などの「固定費」を見直してみましょう。特に保険は年齢が上がるほど保険料は高くなるので、切り替えだけではなく、必要なものだけにするスリム化の意識を持ってください。つまり〝必要以上は不必要〟なのです。いずれにしても、お金が増え、それを使う楽しみこそ資産運用の醍醐味です。楽しみまで削って運用するのはオススメしません。
 また、投資初心者が陥りがちな失敗に「長続きしない」ことが挙げられます。これは商品価格が下がった時に不安になり、逆に上がると嬉しくなり、損をする前や利益が生まれた後で投資をやめてしまうというものです。複利(元本だけでなく利息にも利息がつくこと)の効果を得るには、とにかく長期間預けることが全てです。だからこそ、ライフステージに立ちはだかる壁(学資や住宅購入など)は一つひとつ解決し、「心の安定」=「ほったらかし」を手に入れましょう。「ほったらかし」ができるのは、心が安定しているからです。「ほったらかし」ていい額で運用しているからです。
 最後にタイミングのアドバイスです。積み立て型の投資信託は「ほったらかし」て増えてくれますが、あなたが働いて収入を得られる期間はあとどのくらいでしょう。逆算すると、そう時間がない方も多いはず。初心者の資産運用は、今すぐにでも始めることをおすすめします。


年代別!「資産形成・運用」の考え方

資産形成・運用は、大まかな年代ごとに「攻め方」「守り方」が異なってきます。まずは自分の年齢、ライフステージを考えて、資産を増やすためにどう攻めるのか、どう守るのかを考えてみましょう。
ただ、いずれの年代も「ゴール」に向けて進んでいることは変わりません。だから長く預けて投資の効果を得るために、取り組むなら1日でも早い方がいいのです。

20〜30代
リスクをとってガンガン攻めるべし!
ただし、まずは投資に回す蓄えを

収入は多くないけど使えるお金に余裕のある20〜30代は、利回り8〜10%を目指してリスク込みで増やしていく時期。ただ、まずは自分の給料の半年分くらいを早めに蓄えましょう。これを行うことで貯蓄の上澄み部分を投資に回せ、安心感もあります。


40〜50代
ライフステージに備え
積み立てられる額の1/3を目標に

子どもの進学や突発的にお金が必要になった場合を考えて、運用するのは積み立てられる額の1/3くらいに抑えましょう。投資ができなくなると意味がありませんし、途中で額は変更もできます。利回り4〜6%の安定型を目指しましょう。


60代〜
あまり変動しない商品を選び、
預け先も変更を

60代になると、漠然としていた老後が目前に迫り、人によっては再雇用で働いたり、年金生活が始まります。この年代は大きな金額を預けてもなるべく減らない3〜4%の利回りの商品を選びましょう。また、見え隠れする介護に備えて、介護用、相続用、生活用など預け先も変えていくのが賢明です。


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